【読み物】VBAerってどう読むのか?

先日、しゃあ@やっぱりVBAが好きさんが主催する「第42回 リボンにボタンを付けよう」に参加しました。

参加経緯

この勉強会の登壇者が、「【アプリ紹介】踊るVBE:VBEの操作を快適にする秘密兵器」で紹介した踊るエクセル@VBEアドイン作ってVBEハック中・・・さんだったので、これは見逃せない!ということで参加しました。

なにを隠そう、Wordで動く翻訳チェックソフト「色deチェック」のリボンは、今回の勉強会で紹介された Ribbon EditorJP で作成されています。

このリボンのおかげで色deチェックの操作性が向上したとユーザーさんからはご好評をいただいています。踊るVBEとともに私のVBA開発でなくてはならないツールとなっています。

(参考:【色deチェック】[色deチェック]タブの活用方法(動画)

VBAerの読み方は?

さて、このような経緯で参加したのですが、踊るエクセル@VBEアドイン作ってVBEハック中・・・さんから事前に「VBAerってどう読むのでしょうか?」という質問をいただきました。

VBAerにはいろいろな読み方があるらしく、本来ならどう読むのか知りたいということでした。

私はこの質問を聞いたときに、いろいろな読み方があるという意味が理解できなくて逆に考え込んでしまいました。私は「ブイビーエーアー」しか思いつけなかったからです。

VBAは一般的に「ブイビーエー」と表記をするし、それに「er」が付いたので「アー」がつくというそういう考えです。

他にも書き方があるとすれば、「ブイビーエイヤー」と読む人がいるのかなとこじつけで想像しました。「ブイビーエイ」に「アー」がついて「ブイビーエイヤー」です。

というわけで、勉強会では「『ブイビーエーアー』と『ブイビーエイヤー』を思いついたけど、『ブイビーエーアー』ではないでしょうか」という回答をしました。

SIerの読み方は?

この質問を受けたときに、ネットでVBAerの読み方を調べてしまうと面白くないと思い検索を控えました。

VBAerの読み方の候補を考える中で、ほかの似た言葉で読み方を迷うものとして思いついたのが、SIerでした。

これ、システム開発を意味する「System Integration」の略語(頭字語)である「SI」に「それをする人」を示す「er」を付けた言葉です。システム開発会社のような意味で使います。

このSIerには、「エスアイヤー」と「エスアイアー」の2種類のカタカナ表記がよく使われていますね。

よく聞く言葉だったので違和感なく受け入れていましたが、調べてみたら和製英語だったんですね。

ネット上にはSI(System Integrator)にerを付けた言葉、という説明もありましたが、これは間違った説明だと思います。

なぜなら、「Integrator」には「~する人」の意味が含まれているので、この言葉にさらに「er」を付けたら冗長でおかしいと思うからです。まあ、造語ですしどちらでもいいですが。

「エスアイヤー」と「エスアイアー」、なぜ2通りの表記?

このSIerのカタカナ表記「エスアイヤー」と「エスアイアー」がなぜ2種類あるのかというと、「イ音」の後でアーと伸ばしたときに、「ヤー」と表記する場合と「アー」と表記する場合があるからだと思います。

同じような発音のタイプで2種類の表記があるのが「gear」のカタカナ表記の「ギヤ」と「ギア」です。

どちらも使われています。片方が正しくもう片方が間違っているというわけではなく、業界や会社によってどちらを採用するのか決めているようです。

「ブイビーエイ」ならば「ブイビーエイヤー」でしょ?

このSIerに2種類のカタカナ表記がある理由を適用して、VBAに「ブイビーエイヤー」という表記を思いついたのですが、これは考えすぎでした。

VBAを「ブイビーエイ」と表記する人がいるとしたら、イ音のあとの「er」なので「ヤー」と発音して「ブイビーエイヤー」になるなと思ったのです。

でも、だれもここでは迷っていないと思います。勉強会ではだれからも共感がありませんでしたから(笑)。

ほかの読み方は?

ちなみに、勉強会で紹介されていたVBAerの読み方は以下の通りでした。

  • ビーバー
  • ブバー
  • ブイビーエーアー
  • ブイバー

かわいくていいですね。

VBAerは造語だしそのカタカナ表記は愛称のようなものなので、私は何でもいいのではないかと思います。愛着の持てる名前がいいですよね。

ネットで調べてみたら3年位前から使われているみたいですね。知りませんでしたが、VBAの盛り上がりはすごくうれしいです。

カタカナ表記の選び方

ちなみに私たち翻訳者が翻訳をする際には、外来語のカタカナ表記についてはお客様の意向にそってどちらかに決めて、文書内で表記を統一しておきます。

具体的なスタイルガイドを提供されて、それに準拠して記述をするよう求められることがあります。ITのマニュアルでは会社ごとにスタイルガイドが用意されている場合もあります。

また、カタカナ表記についてお客様の意向が特にない場合は、なんらかのスタイルガイドを用いれば自分でも迷わないしお客様にも根拠を示しやすくなると思います。

このような時に役立つのが以下のような日本語のガイドラインです。ただし、対象となる業界で慣習として使われる表記もあるのであわせて調べるとよいでしょう。

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会のスタイルガイドです。カタカナ表記のみならず、漢字とひらがなの使い分け、テクニカルライティング技術、翻訳しやすい日本語の書き方など多岐にわたる具体的な指針が書かれた良書です。

このスタイルガイドには主要なカタカナ表記が記載されていますが、このカタカナ表記を定めた考え方が「外来語(カタカナ)表記ガイドライン第3版(2015年9月発行)」で説明されています。

日本翻訳連盟(JTF)の日本語表記ガイドラインです。これも大変役に立ちます。翻訳者が取りまとめを担当されて作成された現場の知恵が集約された貴重なガイドラインです。

私はスタイルガイドの内容をWordで使いやすくするためにツール開発を手伝いました。

蛍光と対策や色deチェックでスタイルガイドを使えるようにExcelファイルにまとめました。

(参考:蛍光と対策色deチェック

共同通信社が発行する日本語ガイドラインです。翻訳者だけでなくもちろんライターさんも使っています。

対象分野によっては、公用文で使われるカタカナ表記を調べる必要があるかもしれません。この書籍にもさまざまなルールが記載されているので、お客様に提案するときの根拠として利用してもよいと思います。

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