6月24日(土)、25日(日)に東京ビッグサイトで開催されるIJET-31(英日・日英翻訳国際会議)で、Wordのワイルドカード検索と置換についてのセッションを担当します。ご都合がつく方、ぜひお越しください!
セミナー概要
日時:2023年6月25日(日)10:45-12:15
場所:東京ビッグサイト
タイトル:90分でわかる!翻訳者のためのWordワイルドカード入門
内容:
「本当に良かったです。受講後の自分が別人になった気分です。すべてを吸収しきれた訳ではないですが、考え方を学べたことが一番大きかったです。」「以前はワイルドカードなど、見ただけで頭が痛くなりそうでしたが、少しわかってきたことで興味がわきました。練習問題に挑戦し、うまくできた時はとてもうれしかったです。」
これは私がこれまでに開催してきたWordのワイルドカードセミナー(3時間のパソコン講習)の参加者の声です。今回のセッションでは、翻訳者として知っておくべきWordワイルドカード(Word版の正規表現)の最低限の知識を90分に凝縮してお届けします。Wordの設定方法、ワイルドカードの文法、パターン作りの考え方、事例(何ができるのか)をセットで学べば、あとは実務で使うだけです。Wordの事例を学べば、CATツールでの正規表現の検索や置換に応用できます。このセッションでは、ポイントとなる必要最小限のルールと、翻訳や訳文チェックで使える定番パターンをクイズ形式で解説します。また最近話題のChatGPTをワイルドカードに活用する方法もご紹介します。
※このセッションに、パソコンは必要ありません。
Wordの翻訳業務でワイルドカードを使う方法を解説
Wordの[検索と置換]ダイアログボックスで正規表現を用いて検索と置換ができます。正規表現とは、抽象的な表現やパターンで文字列を検索したり置換したりするための表記方法のことです。Wordでは、ワイルドカードを用いた検索・置換と呼ばれています。
翻訳でワイルドカードを使うと、契約書の「条番号」を検索したり、特許明細書の「段落番号」を検索できるようになります。ここでいう「条番号」や「段落番号」は人間にはわかる概念ですが、Wordはこれを理解していません。この概念を抽象化して正規表現で記述すると、狙った文字列(第1条など)を検索できるようになります。
それだけ?かもしれませんが、この検索や置換を工夫することで、誤記のチェックや表記揺れの修正など、翻訳業務で役立てられます。セミナーでは、翻訳者が知っていると便利な知識に限定して説明します。
セミナーでは、ワイルドカードを今まで使ったことがない方向けに、基礎の基礎から説明します。当日は、文法の解説には時間をあまり割かずに、どのような場面でどういう検索を使うのかという発想の背景の説明に時間を使います。なぜなら、「一度この考え方を知れば自分でも応用ができる」という類のことがよくあるからです。そのため、セッションの多くの時間を発想を学ぶためのクイズ形式で説明する予定です。
私自身がワイルドカードを学び始めた15年前のことを思い出すと、ワイルドカードの文法を学ぼうとしたときには文法をほとんど理解できませんでした。しかし、翻訳者仲間から検索式を教えてもらって、それをコピペで試行錯誤をしながら何度も実務で使うことで理解が深まったと感じています。ワイルドカードを実務で活かすコツは、必勝パターンを覚えて使うことだと思います。
当日のセッションで紹介する検索式や置換式をデータで差し上げますので、そのまま「正解」を使ってみてください。これがワイルドカードを効果的に学ぶ近道だと思っています。
また、ChatGPTがWordのワイルドカードのことをどの程度知っているのか?を確認してみます。ChatGPTをどのくらい使えるのでしょうか。どのように活用したらよいのか、私の考えを紹介します。
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私が開発する翻訳チェックソフト「色deチェック」や翻訳者・専門家のための機械翻訳支援ツール「GreenT」のプログラムで正規表現をかなり使っています。