【書籍紹介】アウトライナー実践入門 ~「書く・考える・生活する」創造的アウトライン・プロセッシングの技術~

Wordをアウトライナーとして活用する場合に、まずはこの本をお読みいただくのがいいかなと思います。

ネット上でアウトライナーについて調べてみて感じたのですが、断片的な知識よりも系統立てて書かれている本書が断然おすすめです。

しかもアウトライナーを使いこなしている人がどのように使うのかを見るのは本当に大切ですね。

Evernoteを導入するときにも、Evernoteを長年使っている方のセミナーに参加してアイディアをもらいました。ノートの管理やタグの管理など、自分では思いつけないような考え方がありますからね。

自由度の高いこの手のツールは設計思想や使い方が想定されているので、そういうのを学ぶのは大切だと思います。試行錯誤(というより暗中模索)するのは時間がもったいないですね。先人の知恵を拝借して、それを自分なりにどう使うか「具体的な試行錯誤」がいいなと思います。

今の私のニーズにちょうどあっていたのか、新しいアイディアがすいすいと頭の中に入ってきて、読みながらWordをいじってマクロを作って試して、、、と本当に楽しい読書体験になりました。

「プロセス型」と「プロダクト型」

本書では、アウトライナーを「プロセス型」と「プロダクト型」の2種類に分けて紹介しています。「プロセス型」のアウトライナーとして「WorkFlowy」が紹介されています。Wordのアウトライン機能は「プロダクト型」に分類されています。

この2つの差については、本書をご覧いただくとして、まずは私がWordのアウトライン機能を使って何をどのように作業できるのか今後探ってみようと思います。

私は今後、この「WorkFlowy」ではできてWordではできない何らかの機能が自分にとって必要なのか試してみます。

で、Wordでできない場合にはWordマクロでなんとかならないか探ろうと思います。それが今後の楽しみです。

アウトラインレベルの「本文」を使わない

本書でも述べられているように、アイディア出しでは、何が「見出し」になって、何が「本文」になるのかまだ分かりません。文章の骨格がわからない段階で「本文」として文章を書き始めると確かに思考の縛りになってしまうような気がします。このことは私も経験しているのでわかります。

今までにアウトライン機能を使って書いたときには、文章を書くときには「本文」に設定して書きました。項目のアウトラインレベルを設定することで構造が見えるところまでは使っていたのです。

この「本文」にせずにすべてアウトラインレベルだけで文章構造を書くというのは面白いアプローチです。確かにアウトラインのレベルを変えるだけで箇条書きにしていくと自由度が高まります。入力したものが文章になったりキーワードになったり。

入力時に「文章なのか、キーワードなのか」「見出しなのか、本文なのか」ということを何も意識しなくてもよいというのは効率化の重要な視点だと思います。

Wordの仕様上、アウトラインレベルが見出しスタイルとリンクしているので、印刷イメージにしたとき(もしくはアウトラインモードで文字書式を表示している場合)に読みにくくなります。

このことは、本書で紹介されているように見出しスタイルを手動で修正することでひとまずは解決できます。(私は見出しスタイルを修正するマクロを作って使っていますが。これもいい感じに完成したら公開します。)

Wordのテンプレートも公開されています

本書でも紹介されている以下のサイトには、見出しスタイルを修正したWordのテンプレートを公開されている方がいらっしゃいますので、こちらを使ってみるのもいいですね。

MSWordをプロセス型アウトライナーとして使う(るうマニアSIDE-B)

すぐに試したい方にはおすすめです。こういう完成品を公開いただくのは本当にありがたいです。

これを見せていただき、見出しスタイルの文字書式や段落書式がどのように変更されているのか確認するのもいいと思います。

「未使用」という項目が秀逸

本書にはアウトライナーの活用方法が具体例とともに説明されています。アウトライナーをどのように仕事で使えるのか、生活で使えるのか、思考整理に使えるのか、実例が豊富に載っています。

素晴らしい考え方だと思ったのは、「未使用」というメモ項目をあえて用意するという考え方です。

本当に使うのかどうか分からないメモを捨てるのはもったいないので、この項目にとりあえずいれておくんだそうです。

いいですねー。

私がEvernoteを活用しきれないのは、過去入力したアイディアを俯瞰できなくなってしまっていると感じていること。

「未使用」という項目を設けておけば、ひとまずそこに入れておけば一覧表示できるのです。

これはいい!

というわけで、さっそくこの考え方を取り入れてます。カーソルのある段落のメモ(文章)を「未使用」項目に移動するマクロもさっそく作ってしまいました。これかなり便利です。

次は、「未使用」項目にあるメモ(文章)をカーソル位置にとってくるマクロですね。実現方法はすでに妄想してあるので早く作りたい!

2017/01/26 公開しました。
【コード】カーソル位置の段落を文書末尾に移動するWordマクロ 

アウトライン→文章作成→完成品への橋渡しがキモかも

そういうわけで、アウトライナーを思考ツールにまで活用する方法には非常に興味があります。今までXMindというマインドマップツールで行っていたことと文章作成がシームレスに行えそうな予感があるからです。

何よりWordでそういう作業ができると私としてはすごくうれしいです(笑)。

今までにいくつかの書類をWordのアウトライナーで作ってみたのですが、まだ課題はいくつかあります。

整理をする段階で「見出しスタイル」が書類中に入りすぎてしまい、それが完成品としてのWordファイルで若干邪魔なのです。

完成品をGoogleドキュメントで仲間に共有するときにもちょっと不便だと思いました。

Googleドキュメントもスタイルにしっかり対応しているので、Wordで設定した見出しスタイルに反応しちゃうんです。

なので、課題はアウトライナーからの出力ファイルで見出しスタイルを簡易な文字書式や段落書式に変換したりすることかもしれません。完成品の出力時には、本文の標準スタイルを含まない見出しだけの文書ではどうにもならないので。

今後、妄想を試していきます

まだ試行錯誤中ですが、すでにいろんなアイディアを本書からいただいています。少しずつ試しながら自分なりのスタイルを作ってみたいと思います。

具体的なアイディアがつまっていて、妄想を刺激してくれるこういう本が好きです。

あー、だらだら書いてしまいました。ブログ記事を書く前にアウトライナー使うと、文章をもっと整理できて短くできるんでしょうね(笑)。

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