Wordで動く翻訳チェックソフト「色deチェック」で英数字記号のチェックをすると、和文と英文とでチェックされている文字列が違う場合があります。
これは仕様なのでチェックエラーではありません。以下のような理由によります。
また、より詳しいチェックをするための代替案も紹介します。
和文と英文でチェックする文字が違う理由
特開2009-10774を例にして違いを示します。
原文ではLCDやLiquidなどアルファベットが水色になっています。英文中に対応する文字列があるため着色されたのです。(参考:【色deチェック】英数字記号のチェック時の蛍光ペンの着色ルール、チェックでの水色や黄色の違いを動画で解説)
しかし、英文中には対応するアルファベットに色がついていません。つまり、チェックされていないのです。
英文中でのチェック対象となる文字列は、「数字を含む文字列」や「数字+単位の記述」です。このようにしないと、「the」や「this」など英単語がチェック対象になってしまい、英文全体が黄色に着色されてしまうからです。
なので、たとえば「100a」や「100b」、「CH4」、「100 mg」などの表記のように数字を含むのであれば、 アルファベットを含む文字列がチェック対象になります。
上記の例では、英文中の「LCD」、「Liquid」、「Crystal」、「Display」にはいずれも数字が含まれていないので、これらはチェック対象外となりました。
英文でもチェックされるアルファベット例
上記のルールには2つ例外があります。
例外1.化学式や元素記号
以下の機能は、Ver. 3.4a以降で実装します。 Ver. 3.4では化学式が正確に着色されません。
英数字記号のチェック対象として、化学式や元素記号をオンにします。この場合、英文中のアルファベットだけの文字列でも化学式や元素記号であればチェックできます。
ここでいう元素記号というのは、HやClなどの元素記号単体や、NaOHなどの化合物の化学式です。
(化学式と元素記号がオフの場合)
英文中では、数字を含むH2SO4のみがチェックされましたが、それ以外の化学式などはチェックされませんでした。
(化学式のみオンの場合)
(元素記号のみオンの場合)
(化学式と元素記号をオンの場合)
例外2.SNSやFBなどの大文字アルファベット(頭字語)
[オプション]ダイアログの[英数字記号2]タブの[英文の2文字以上の大文字アルファベット(FB、CPUなど)を和文でチェックする]チェックボックスをオンにします。
すると、以下のように英文中のLCDがチェックされます。
本機能には一長一短があります。以下の記事もあわせてご覧ください。
【色deチェック】英文中の大文字が誤判定で黄色になる!への対処方法
上記以外のアルファベットをチェックするには?
化学式や元素記号、また2文字以上の大文字のアルファベットはチェックされますが、それ以外の場合にはどうしたらいいのでしょうか。
たとえば、英文中の「Liquid Crystal Display」を和文でチェックする場合です。
この場合には、用語集によるチェック機能(【色deチェック】用語集によるチェック)を使います。
テキストファイルの用語集を用いる場合、原語(タブ)訳語と登録します。
Liquid Crystal Display(タブ)Liquid Crystal Display(改行)
これで双方向のチェックをすればよいでしょう。正しい表記の場合に青文字に着色(【色deチェック】用語の正しい適用箇所を着色する)をすれば、以下のような結果になります。
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