GreenTでは、生成AIを翻訳と推敲の2つの目的で利用できるように準備中です。
※2024年3月5日現在、生成AIを利用可能なプランや利用料金は未定です。試用を繰り返したのちに決めていきます。
- 不正使用の監視がされない安全な言語モデルを採用
- あなたのChatGPTは大丈夫?不正使用の監視中かも?
- MicrosoftやOpenAIとの契約なしで生成AI利用が可能
- 翻訳に利用する
- 推敲に利用する
不正使用の監視がされない安全な言語モデルを採用
GreenTでは、Microsoft の Azure OpenAI Service のGPT-3.5 Turboという言語モデルを採用します。この言語モデルは、Microsoft が Azure というクラウドプラットフォームで提供する対話型の生成AIサービス(OpenAIのChatGPTに相当)です。
GreenTで利用する言語モデルは、Microsoftとの契約により、翻訳対象として送信したデータがMicrosoftのサーバーに「監視目的で保存される」ことがない特別仕様になっています。そのため、特許明細書のような機密情報が「公開された状態になる」リスクがない安全な言語モデルを利用しています。
弊社では、GreenTで扱うデータが機密情報であることから、情報の安全な管理を徹底しています。特に、新規出願の特許明細書においては監視可能な状態でデータが保存されていることは、公開されたことと同義になると考えており、上記の「不正使用の監視」がなされないように設定された言語モデルを利用しています。
あなたのChatGPTは大丈夫?不正使用の監視中かも?
OpenAIとMicrosoftはともに、言語モデルの不正使用の監視を目的として、データが30日サーバーに保存されることになっています。
- Microsoft:Data, privacy, and security for Azure OpenAI Service
“To detect and mitigate abuse, Azure OpenAI stores all prompts and generated content securely for up to thirty (30) days.” - OpenAI Data Controls FAQ
“To monitor for abuse, we will retain all conversations for 30 days before permanently deleting.”
通常の有料契約では、「監視目的でのデータ保管」がデフォルトの設定になっています。なお、OpenAIとの契約の場合には、現時点では「監視目的でのデータ保管」を拒否する手段がありません。
現在ご利用の生成AIサービスがある場合、そのサービスがどのような規約でデータを取り扱っているのか確認する必要があります。OpenAIと契約をしてChatGPTをCATツールで利用する場合には、情報公開のリスクについてクライアントと合意したうえで利用したほうがよいでしょう。
弊社(エヌ・アイ・ティー株式会社)では、機密情報が公開されないよう、また取り扱うデータの安全性を確保するため、MicrosoftのAzure OpenAI Service において「監視目的でのデータ保管」がされないような契約をした言語モデルのみを利用しています。
MicrosoftやOpenAIとの契約なしで生成AI利用が可能
以下、GreenTで利用可能な生成AIを総称してChatGPTと呼びます。(※今後、タブの表示名やUIが変更される可能性があります)
GreenTでChatGPTを利用する場合、GreenTのユーザーは個別にMicrosoftやOpenAIとの契約は必要ありません。GreenTを提供するエヌ・アイ・ティー株式会社がMicrosoftと契約をしているからです。
ChatGPTが利用可能な状態になると、翻訳用のタブに[ChatGPT]タブが表示されます。これをクリックするとChatGPTの翻訳を利用できるようになります。また、細かな設定は、設定画面の[ChatGPT]タブで行います。
翻訳の分野や表現についても、DeepLやGoogle翻訳を利用する場合と同様に[Style]タブで設定できます。ここで設定した文末表現(「だ・である調」、「です・ます調」)や特許翻訳などの分野に応じた表記の統一もほかの翻訳エンジンと同様に適用されます。
(参考)
翻訳に利用する
翻訳する場合には、DeepLやGoogle翻訳を利用する場合と同様、[ChatGPT]タブを開いて[GreenT]ボタンをクリックします。用語集を適用する場合には、[用語集]チェックをオンにします。
GreenTでChatGPTを翻訳に利用する場合には、右側の設定用の[ChatGPT]タブでさらに以下のような設定ができます。
意訳度合いを10段階で設定できます。特許明細書や契約書のような堅い文書では、意訳度合いを0に設定するとよいでしょう。
マーケティング翻訳やエンターテイメント(映画・アニメ)翻訳などトランスクリエーションと呼ばれるような文書の場合には、後述の指示内容と意訳度合いを変更して、どのような訳文が好みなのか試してみてください。
考慮する直前の文の数を1以上にすると、直前の文を考慮した訳文を出力できるようになります。
[指示内容]欄に好みの文体や表現、また想定読者を定義し、[指示内容]チェックをオンにすれば、指示内容が翻訳に反映されます。
この機能を用いると、以下のような翻訳結果を得られます。DeepLやGoogle翻訳と比較してみます。(2024年2月20日現在)
原文: 何を注文しますか?私はうなぎです。 訳文:Google翻訳 What would you like to order? I'm an eel. 訳文:DeepL What would you like to order? I am eel. 訳文:ChatGPT:直前の1文を考慮、意訳度合い:7 What would you like to order? I would like to order eel.
工夫次第で、いろいろ出力を変化させられます。特許の日英翻訳では、用語集に登録された語句が直前の文で使われていれば、定冠詞が加えられます。
推敲に利用する
ChatGPTを訳文の推敲に利用する場合には、右側の設定用の[ChatGPT]タブの下半分の設定項目を利用します。翻訳の場合と同様に意訳度合いや考慮する文の数を指定したり、指示内容を自由に記述できます。
さらに、推敲した訳文案を最大3つまで提案するように指定できます。さらに、推敲に利用するデータを、訳文だけを検討するのか、原文と訳文とを用いて検討するのかを選べます。
推敲をする対象の訳文のタブを表示し、[RV1]ボタンもしくは[RV2]ボタンをクリックします。以下の例ではGoogle翻訳の訳文を推敲する例です。
[RV1]ボタンをクリックした場合には、推敲結果が[M1]タブに表示されます。同様に、[RV2]ボタンをクリックした場合には、推敲結果が[M2]タブに表示されます。いくつかの条件で比較をする場合があると想定されるため、出力結果を[M1]タブと[M2]タブに残し、訳文を比較できるようにしています。
(参考)訳文を比較する方法
この機能を用いると、以下のような提案を得られます。Google翻訳の訳文を推敲してみます。(2024年2月20日現在)
原文: 何を注文しますか? 訳文:Google翻訳 What would you like to order? 推敲案:提案数=3 What would you like to order? What would you like to place an order for? What would you like to order from the menu?
指示を入れると、以下のように推敲案が変化します。
原文: 何を注文しますか? 訳文:Google翻訳 What would you like to order? 推敲案:提案数=3、「丁寧な表現を提案してください」 May I ask what you would like to order, sir/madam? Excuse me, would you mind telling me what you would like to order? Pardon me, could you please let me know what you would like to order? 推敲案:提案数=3、「ぶっきらぼうな表現を提案してください」 What would you like to order? What will you be ordering? May I take your order?
翻訳のヒントを得られるかもしれません。