【Word VBA】Microsoft Visual C++ Runtime Library の Assertion failed! エラーの対処方法

2025年8月のWordのアップデートにより、Word VBAの一部の機能が使えない不具合が発生しています。その結果、このブログに掲載されている特定のマクロやWordアドイン（色deチェック、GreenT、山猫の手、頻度のヒントなど）が不具合で動作しないという結果につながっています。その症状と対処方法を紹介します。

2025年9月10日にWordの不具合が解消され、このエラー表示がなくなりました。Wordを更新してご利用ください。

症状

Word VBAの特定の処理（後述）をすると、以下のメッセージが表示されます。

Microsoft Visual C++ Runtime Library

Assertion failed!

Program: ...
File: g:\vba\src\65_VC8\VBA\rt\rtre.cxx
Line: 946

Expression: replaceVar.vt == VT_BSTR

For information on how your program can cause an assertion failure, see the Visual C++ documentation on asserts

(Press Retry to debug the application - JIT must be enabled)

発生原因

「特定の操作」とは、以下のような VBScript の RegExp（正規表現）を用いた置換処理です。私が確認した処理はこれだけですが、他の処理でも不具合が出ているのかもしれません。

以下の処理では、"これはペンです。"という文字列内の"ペン"を"鉛筆"に置き換えようと試みますが、現時点のWordの最新版では不具合がでて上記エラーメッセージを表示し、置換できません。

Sub 置換サンプル()

　'文字列を置換する

　'myText: 置換対象の文字列全体
　'myFind：検索する文字列
　'myReplace：置換後の文字列

　Dim myText As String: myText = "これはペンです。"
　Dim myFind As String: myFind = "ペン"
　Dim myReplace As String: myReplace = "鉛筆"

　Dim RE: Set RE = CreateObject("VBScript.RegExp")

　With RE
　　.Pattern = myFind
　　.IgnoreCase = True　　　　　''大文字と小文字を区別しない
　　.Global = True　　　　　　　''文字列全体を検索
　　myText = .Replace(myText, myReplace)
　End With
　
　Set RE = Nothing

　MsgBox myText

End Sub

予防方法

まだこの不具合が発生していない場合には、以下の記事の「1．Officeの自動更新を無効にする」の項目を参照し、Wordの自動更新を無効にしてください。

【Wordアドイン】エラー対策としてWordを前のバージョンに戻す方法（2025年8月版）

この予防策をしない場合、自動更新が有効になっているWordであれば、いずれこの記事で紹介しているエラーが発生してしまいます。

不具合対策

Wordを不具合が起こる前のバージョンに戻す（ロールバックする）方法を、以下の記事で紹介しました。

【Wordアドイン】エラー対策としてWordを前のバージョンに戻す方法（2025年8月版）

不具合対策で失敗したら

上記の記事に従ったものの、うまくいかない場合の対処方法を、以下の記事で紹介しました。

【Wordアドイン】Wordを前のバージョンに戻せない場合の対処方法

今後の予定

このバグが修正されたことを確認したら、ブログ記事にします。そのときに、Wordの更新を有効に戻してください。

関連記事

• 【Wordアドイン】エラー対策としてWordを前のバージョンに戻す方法（2025年8月版）
• 【Wordアドイン】Wordを前のバージョンに戻せない場合の対処方法