【書籍紹介】語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ(その1)

とにかく、お買い得!今回も書籍紹介です。

「語学力ゼロで8ヵ国語翻訳できるナゾ どんなビジネスもこの考え方ならうまくいく」

特許翻訳者の水野麻子さんの著書が、講談社から出版されました。

今回から4回にわたって紹介します。

書きたいことはたくさんありますが、僕がこの本から
活用できる一番いいなと思った学びを紹介します。

こんな感じの本です。

先に断っておくと、この本は、いわゆる「翻訳のハウツー本」とは少し違うように感じました。

サブタイトルの「どんなビジネスもこの考え方ならうまくいく」にあるように、「考え方」の本だと思います。

その「考え方」を「特許翻訳」を事例にして具体的な説明をしているんですね。

読み手が具体的な課題を念頭に置きながら読むと、この本の考え方をヒントにして、いい解決策が見つかるかも。

これが、本書の最後のページに書かれていることの意味かなと思っています。

本という媒体には、読者が抱えている問題の「答え」を示す力はありません。書いてある内容とは無関係に、そもそもそういうものではないのです。でも、問題解決のヒントを示すことならできます。それまで読者の中にはなかった新しい考え方、着眼点、価値観、情報、物事に対する取り組み方・・・・・・。いずれも読者が自分の殻を破って大きく成長するための栄養素のようなものといえるでしょう。

そういう「うれしさ」を楽しむ本かなと思います。

以前紹介した、小飼弾さんの「小飼弾の 『仕組み』進化論」に似た感じです。

抽象化(一般化)された考え方(どんなビジネスでも使えるもの)を具体例(小飼さんの専門分野「プログラマ」の事例)で説明するという点において、似ているかなと思いました。

とは言っても、本書にはそのまま使える翻訳のハウツーもたくさん入っていますよ。

以前少し触れたCTについても、簡単ではありますが書かれているし、ワイルドカード置換の使い方もかなり詳しく書かれているし。

880円で大変お得です。

この本で紹介されている「考え方」とは?

①問題の細分化
②最適な解決手段の選定
③作業のグループ化と並行処理

そんな感じかなと思いました。

ね、翻訳ハウツー本ではお目にかかれないアプローチですよね。

そもそも、翻訳とどう関係しているの?という印象を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

答えは本書をご覧ください。

これをうまく使いこなせると、品質の向上とスピードの向上が両方得られるという「うれしさ」があるそうなんです。

水野さんも本書で書かれていますが、この考え方は家事でも使えるし(P.185)、使い方次第ですね。

解決手段の正しさとは? ふと思ったこと。

何事もそういえると思いますが、私たちはある「手法(解決手段)」を教えてもらうと、その「手法」が解決しようとしていた問題自体を意識せずに、ついつい「手法」を別の目的のために続けてしまうことってあるように思います。

で、いずれその「手法」がうまく使えない事例にあたったときに、うまくいかない理由をその「手法」に求めてしまったり、その「手法」の正しさを議論し始めてしまうこともよくありますね。

何を達成するための「手法」なのか?という定義もしないで、「手段」の正しさを検証できるわけないんですけどね。

わかりにくいかな?私は、各国の特許出願業務における考え方とかイメージして書きましたが。

私の陥りやすいところであり、注意が必要です。

「第2章 知識とは選択肢のこと」を読んでいて、上記のことを思いました。

本書には、「ほんとうの目的を忘れずに」という項があります。

上記の内容とは直接は関係しないのですが、自分の仕事を振り返るヒントになりました。

本書では、事例として「翻訳に役立つウェブサイト(P.92)」があげられています。

また、第4章の「翻訳メモリと効率化(P.168)」も、そのような考え方に基づく例だと思います。

マクロは解決手段の1つ

私がこのブログで紹介する「ワードマクロ」も、手段の一つにすぎないと思っています。

私は、解決手段を考えるときに、マクロで自動化できるかな?と考える癖ができてしまって、それがときおり職場の同僚から私は「マクロ至上主義」(笑)にみられる結果になっているように思います。

まだ、そこまでは、はまりきれていません(笑)。

ワードマクロ伝道師なら、そのくらいまでいかないとだめかも。

って言うか、いつから伝道師なんだ、自分?

ひとまず、プロセスを分解して考えるトレーニングとして面白いので、とりあえずなんでもかんでもマクロで対処す方法を考えたりしています。

だめだなと思ったらマクロにしないですよ。

あと、僕が、どうやったらいいかをぶつぶつと話していると、相手もつられて自分の考え方を披露してくれたりします。

そういう些細ではありますが、小さな情報交換ってものすごく役に立つんですね。実は。

で、いただいた相手の思考プロセスを使って、マクロをより便利なものにしたりしています。

以前ブログ「誰かのためにマクロプログラムを作ること」で書いたけど、他の人の発想ってむちゃくちゃ役に立ちます。

または、相手の知恵をマクロにせずに、そのまま使わせてもらったりしています(笑)。これもすごく大事。

そう、マクロを使って解決しなくちゃいけないわけじゃないし。

なので、誘い水として、わざとぶつぶつ言うようにしています。

と、なぜかマクロの話をして、完全に脱線したところで、今回は終了。

感想の続きは、また次回。

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