【セミナー報告】2016/09/03(土)長野 Wordで上書き翻訳セミナー

3週間前になりますが、長野で上書き翻訳セミナーを開催しました。

お越しいただきましたみなさま、どうもありがとうございました。再受講の方もいらっしゃり、突っ込んだ質問もいただけて実務に即した内容になったと思います。

セミナー内容

Wordで上書き翻訳をするための統合ソフト「上書き翻訳ツール」を使った翻訳手法を紹介しました。

上書き翻訳ツールだけで上書き翻訳ができます。このセミナーでは、何を目的としてなぜこの機能を使うのか?という観点で翻訳のプロセスを紹介しました。

上書き翻訳というと、ネットでひろった辞書などをもとにむやみに置換ばかりをしてしまい、よくわからない英日混在文ができてしまうことがあります。それが理由で翻訳品質が悪化するということが起こりえます。

私は、ツールを使うときには、自分が何をするために機能を使っているのかを理解することが重要だと思っています。

ツール・機能があるから使うのではなく、まず目的があり、その目的にそったツール・機能を使うのです。これをどうしても間違えてしまう方が多いと思います。

手にしているツールのうち、自分が納得している機能だけを使うので十分です。

なので、この点についてけっこうしつこく説明しました。

用語集の作り方

上書き翻訳用の用語集作りについても具体的な方法をいくつか紹介しました。私はWord文書中の用語の使用頻度を計算する「頻度のヒント」というソフトを使って翻訳用の用語集を作ります。

経験上、特許翻訳の機械分野では、1万ワードの英文であれば、頻度のヒントで得られる用語の上位50語から100語を核となる用語集するとよいと思っています。

だいたい0.5%~1%です。たったこれだけです。

この用語をしっかり調べてから翻訳を始めるようにしています。もちろん手持ちの用語集にあれば調べる必要はありませんが、新しい案件のなかでどのように使われている言葉なのかを1つ1つ調べながら用語集を作ると、発明の内容の理解にも役立ちますし、自信をもって置換もできるのでよいと思っています。

定訳のある化合物名のあるような化学分野では「手持ちの●万語の用語集で一気に置換」という夢のようなプロセスもありえますが、機械分野ではなかなかそうはいかないように思います。

地道ではありますが、案件1件1件用語集を作っていき、徐々にためていくのがいいかなと思います。

参加者の声

ご許可をいただいた方の声を紹介します。

受講前は、全然ツールにさわったことがない状態で出席しても失礼に当たらないかと心配でした。

説明がていねいで分かりやすく、その場で疑問点を尋ねることができました。また、今の仕事でこれを使えると感じる部分がたくさんあり、とても濃密で有意義な時間を過ごすことができました。

IT翻訳者 竹内英二様

上書き翻訳ツールはぱらぱらの簡易版というイメージできちんと復習せずにいたが、カーソル移動という独自の機能があり、ぱらぱらなどと併用して効果が発揮されることを知った。ショートカットキーの組み合わせを体に覚え込ませて、作業のさらなる効率化につなげたい。また、同じセミナーに複数回参加することも、前回見落としていた点に気付くことができて良いと感じた。

特許翻訳者 30代男性 YO様

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